心と頭を豊かにする写経会
- 志学の杜
- 5月17日
- 読了時間: 3分
更新日:5月18日
今から20年ほど前の前職での話、ベテランの英語の先生が、定期テストで平均点前後をうろちょろしている生徒に呼び掛けて「心と頭を豊かにする写経会」というのを始めました。
その先生曰く、「この地域の定期テストは学校の教科書内容をしっかり叩き込めば高得点が狙える。だから、テスト範囲の教科書本文写しと、訳をつけるノートづくりを生徒さんと一緒にやる」と。なるほど。それに、家庭での宿題にせず、塾で空き時間に一緒にやるというのもなかなかいいなと思い、様子をそっと見ていました。
すると、定期テストでの成績アップが続出。今まで英語に抵抗を感じていた生徒さんの表情が一気に変わりました。
さらに、面白かったのは、写経会のメンバーはその後、模試や実力テストでも結果を出していったことでした。自習にも来るようになり、またその時の集中力も以前とは違って高まっていきました。
「成功体験を持つことって、大切なんだなあ」とその時改めて思ったのです。
それから20年以上の年月が経ち、先日の連休のこと。
素材選びで目にした畑正憲さんの「ムツゴロウの青春記」のなかに、ムツゴロウさんの父親が、ある資格の国家試験に挑戦するために勉強を始める、という場面があり、その中で父親が「年を取って物覚えが良くないから」ということで、家から離れた神社の境内で、まずは教科書を音読し、そのあとノートに書き写す、という勉強をするエピソードが出てきたのです。
「これって、心と頭を豊かにする写経会じゃん!!!」と思った私、もしかしたら、この勉強法は使えるのではないか、と思い、さっそく某国立大学の二次の現代文の問題を引っ張り出してきて、一日一題、音読してから裏紙に書き写し、それから問題に取り組む、ということを始めてみました。
結果はどうだったか。
書き写した後に問題に取り組むと、普通に読んで取り組むよりも調子よく取り組めました。(まあ、丁寧に読んだ後なので…)
それよりも驚いたのは、「写経会」を始めてから集中力が高まったこと。
正直言うと、年齢的なことには勝てないなあ、と思っていたのですが、これを始めてからまた戻った感があり、仕事の速さ、正確さも高まった感があります。
さらに、別の文章を読んでいて、似たような話題が出てきたときに「そういえば先日の文章にはこんなこと書いてあったよな」とさっと思い出し、関連付けるのが容易になったのです。(あくまでも個人の体験です)
そして、「心と頭を豊かにする写経会」というタイトルは、ただ単に面白おかしくつけたのではなく、本当にそうなんだな、と20年たってから気づいたわけです。
あの生徒さんたちが、成績を伸ばしたのは成功体験がきっかけなのはもちろんのこと、写経会が本当に頭が豊かになるツールだった、のです。
あれから20年以上たち、色々な学習ツールが発達したわけですが、なんだかんだ言っても「読むこと」と「書くこと」は大切なのだと思います。
そして、「教室で(塾で)」対面で学習することも、です。
(本日もたくさんの生徒さんに「日曜自習室」にお越しいただき、ありがとうございます)




